1973年9月1日土曜日

怪談ランプ(作品)

怪談ランプ』(かいだんランプ)は、小学館「小学六年生」1973年9月号に掲載された短編。


怪談ランプ

  • 話数記号:六73.9
  • 分類:原作短編
  • 量:10ページ57コマ
  • 発表:「小学六年生」1973年9月号
  • 単行本:「てんとう虫コミックス『ドラえもん』」第2巻第3話
  • 大全集:第1巻第51話
  • アニメ化:1979年、2005年、2014年


あらすじ

のび太は玉子に怪談を教えてもらおうとするが、ちゃんと相手にしてもらえない。実は、今夜ジャイアンが主催して怪談会をやるのだが、のび太も何か怖い話を用意しなければならないのだという。のび太は他の人をぞーっとさせたいのに、なかなか話が思いつかないという。それを聞いたドラえもんは、怪談ランプという道具を出す。このランプの前で怖い話をすると、現実にも話の通りの出来事が起きるというのだ。

その夜。ジャイアンの家では、電気を消して部屋の中央にろうそく一本だけ立てて、怪談会が開かれる。いちばんみんなを怖がらせた話をした者が優勝だと言われ、スネ夫や静香は自信たっぷりに臨むが、のび太は怖くて怖くて仕方ない。

ジャイアンは、大事な皿を割って殺された女性が投げ込まれた井戸から、毎晩毎晩1枚、2枚、と皿を数える声が聞こえる話、静香は、泊まった家で出刃包丁を持った鬼婆に襲われる男の話、スネ夫はノッペラボーの話をそれぞれする。しかしどれもみんな聞いたことがあるような話なので、怪談会はのび太が怯えるだけで、いまいち盛り上がりに欠ける。みんなはのび太にも怪談をするよう迫る。

のび太は怖い出来事が起きないか不安に思いながらも、渡された怪談ランプを取り出して、渋々話を始める。昔、お皿を割って殺されて井戸へ……とジャイアンそっくりの話をするのび太。すると、まもなく家の中からガチャンと皿の割れるような大きな音がした。家には今誰もいないはずなのにと、みんなは慄きを隠せない。ジャイアンはネズミの仕業だとみんなに言い聞かせて、怪談を続けさせる。

それからというもの、夜中になると行灯の火がすぅーっと消えて……のび太がそう話し続けると、部屋のろうそくの火も同じように消えてしまった。それを見たみんなは怯え始めるが、ジャイアンは隙間風が入っただけだと言って更に続けさせる。うらめしそうな声で、一枚、二枚、……のび太がまた話をこう続ける。するとまた家の中からか、同じように「一枚、二枚、……」と不気味な何かを数える声がしてきた。さすがにこれには、のび太も含めて全員が驚きと恐怖を隠せない。

ところが、実はこの声はこの時たまたま剛田家に侵入していた泥棒が、家の中で見つけた十円玉を数える声だったのだ。先ほどの皿の割れる音も、泥棒の仕業だった。泥棒は、盗める家財はないかと、怪談会を開いているジャイアンの部屋に包丁を持って近づく。一方、のび太は、今度は静香の話そっくりの、鬼婆の話をしていた。ろうかをやってくる音がピタピタと、障子がスーっと開いて出刃包丁が……、そう話すと、同時にたまたま部屋に入ろうとした泥棒が、部屋の障子を開ける。

開いた障子の隙間から、泥棒の出刃包丁が見えた途端、その場にいた4人は絶叫する。そして泥棒も驚いて逃げ出していった。3人は恐れ入って、のび太が怪談会の優勝だと認める。

のび太は帰った後、一連の出来事をドラえもんに話す。そして、どうせならノッペラボーも出してみたかったと、言うが、実はまだ怪談ランプを点けたままであった。すると、いきなり部屋に顔のない女性が入ってきた。のび太とドラえもんは驚くが、それはパックをしている玉子の顔だった。


アニメ化

過去に3回テレビアニメ化されている。

  • 『怪談ランプ』(A2.219)

大山版アニメ1979.12.12放送。

  • 『怪談ランプ』(A3.36)

水田版アニメ2005.8.19放送。

  • 『怪談ランプ』(A3.631)

水田版アニメ2014.8.1放送。


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