1973年12月1日土曜日

一生に一度は百点を…

『一生に一度は百点を…』(いっしょうにいちどはひゃくてんを)は、小学館「小学六年生」1973年12月号に掲載された短編。


一生に一度は百点を…

  • 話数記号:六73.12
  • 分類:原作短編
  • 量:9ページ68コマ
  • 発表:「小学六年生」1973年12月号
  • 単行本:「てんとう虫コミックス『ドラえもん』」第1巻第11話
  • 大全集:第1巻第54話
  • アニメ化:1979年、1992年、2005年、2018年


あらすじ

自分がいつもテストで満点を取り、先生からもみんなのお手本として褒められ、静香を始めとして女の子からもちやほやされる。そんな妄想を勉強机でしていたのび太は、学校の宿題に全然手を付けられないでいた。クリスマス会の打ち合わせのために、静香の家にみんなで集合することになっていたのだが、全然捗らない。ドラえもんが急かすので、のび太はやけになって宿題と約束をほったらかして昼寝を始める。

それを見かねたドラえもんは、ポケットから取り出した鉛筆をのび太に無言で手渡し、宿題をやらせる。すると、鉛筆が勝手に動いてあっという間に宿題を終わらせてしまった。実はこれはコンピューターペンシルというひみつ道具なのだ。ドラえもんが用が済んだので返すよう言うが、のび太は面白がって少しだけといって貸してもらう。

そうして、ジャイアンの家を訪ねる。実はジャイアンも宿題に手が付けられておらず、打ち合わせに行けていなかった。そこでのび太は、彼の宿題のノートを借りて、そのコンピューターペンシルで一書き。あっという間に全部出来てしまった。同じように、スネ夫の宿題も一瞬で片付け、そして二人を連れて静香の家に向かう。一方で、劣等生だったはずののび太が一瞬で宿題をこなせたことに二人は疑問を抱く。

いざ静香の家に到着して、五人で打ち合わせを始めようとするが、実は静香の父親が家で仕事をしており、家で騒ぐなとのこと。それを聞いたのび太は、彼が仕事で書いていたレポート用紙を借り、コンピューターペンシルを使ってこれもまたあっという間に終わらせてしまった。こうして静香の家で打ち合わせができるようになったが、話題は急に「天才」となったのび太のことで持ち切り。みんながのび太にどうして急に頭が良くなったのかと問いかけるが、のび太は自分が勉強に勤しみ努力した結果なのだと嘘をつく。そう説明された三人は、それでも疑心が拭えなかった。

のび太は自分が「天才」になった気分を満喫する。そして、明日のテストのためにその時までコンピューターペンシルを借りておくことをドラえもんに告げるが、それはカンニングと同じだといってドラえもんは激怒。しかしのび太は使う気満々で全く言うことを聞かない。

一方、その二人のやり取りをかげでのぞいていたジャイアンは、のび太が急に頭が良くなったように見えたのは、コンピューターペンシルのせいだということに気づく。そして、

ほしいものは手に入れるのがおれのやりかたさ。

と、何やら悪だくみを考え始める。

その頃家では、のび太は親に早速、通信簿がオール5だったら世界一周旅行や好きな物買ってもらい放題などの約束をしていた。一方で、そんなのび太をドラえもんはまるで汚いものでも見るかのような、軽蔑しきったような目で見ていた。それを感じ取ったのび太は、心に躊躇の気持ちが現れるが、それでも明日のテストにこれを使ってやろうと決め込んでいた。

翌日。いよいよテストが始まる。のび太は筆箱にあるコンピューターペンシルを手に取って、テストを受けようとする。しかし、いざ持ってみると手が震え始める。そして同時に、昨晩のドラえもんの自分への目つきと顔が思い浮かばれた。結局、のび太はテスト中にコンピューターペンシルを使うことが出来なかった。

のび太は、普通の鉛筆を使ったので、テストは零点かもしれないと落ち込んで帰宅する。のび太がコンピューターペンシルをドラえもんに返すと、ドラえもんも結果を気にせず彼がそれを使わなかったことを褒める。ところが、まもなくドラえもんは、のび太が持っていたコンピューターペンシルが、偽物だということに気づく。どこかで何者かにすり替えられたのかもしれないのだ。

次の日、学校で先生からテストが返される。先生が言うには、今回のテストは難しかったそうだが、そんななかジャイアンだけが百点を取っており、みんなに自慢していた。のび太はジャイアンが鉛筆を盗んだ犯人だと確信して彼を追及するが、ジャイアンはとぼける。そして帰宅後、自分の父親に、自分が百点を取ったことを報告する。すると、父親は涙を見せながら、

いつも落第点のおまえが、きゅうに百点取れるわけがないっ。
できの悪いのはしかたがないとして、不正だけはするなと教えてきたはずだぞ!

と、彼の不正を見破り、叱りつける。翌日ジャイアンはボロボロになりながら、のび太とドラえもんにコンピューターペンシルを返すのであった。


アニメ化

過去に4回テレビアニメ化されている。

  • 『一生に一度は百点を』(A2.15)

大山版アニメ1979.4.18放送。

  • 『コンピューターペンシル』(A2.1179)

大山版アニメ1992.5.15放送。

  • 『一生に一度は百点を…』(A3.22)

水田版アニメ2005.7.1放送。

  • 『一生に一度は百点を…』(A3.918)

水田版アニメ2018.4.20放送。


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