『おばあちゃんのおもいで』(おばあちゃんの思い出)は、小学館「小学三年生」1970年11月号に掲載された短編。タイムマシンを使って生前のおばあちゃんとのび太が邂逅するあらすじで、映画化もされたことがある、作品内の感動作として広く知られる。
おばあちゃんのおもいで
- 話数記号:三70.11
- 分類:原作短編
- 量:17ページ119コマ
- 発表:「小学三年生」1970年11月号
- 単行本:「てんとう虫コミックス『ドラえもん』」第4巻第18話
- 大全集:第1巻第29話
- アニメ化:1973年、1979年、1986年、2000年、2006年、2011年
あらすじ
母親の玉子が物置きを片付けている中、のび太は小さいころ大好きだったという熊のぬいぐるみを見つける。継ぎ接ぎだらけだが、これは、のび太が幼稚園の時に亡くなったおばあちゃんが、生前に繕ってくれたものだ。のび太はドラえもんにおばあちゃんとの昔の思い出を写したアルバムを見せる。ジャイアンとスネ夫にいじめられたら、涙を取って拭いて子守歌で寝かしつけてくれたり、おもらしをしたら履き替えさせてくれたり……。本当に優しいおばあちゃんだった。
そしてのび太はその思い出をドラえもんに話しているうちに、思わずおばあちゃんに会いたいと言ってわめきだし、まもなくタイムマシンで会いに行くことを思いつく。だが、ドラえもんは成長したのび太と当時のおばあちゃんが会うと話がややこしくなると言って反対する。結局、物陰から姿を見るだけということで妥協し、いざタイムマシンに乗り込む。
のび太が3才の時の野比家に到着する。二人は裏口から忍び込んでおばあちゃんを探しに行き、いつも彼女がいた居間を覗いてみる。しかし誰もいない。洋間にもいない。二階の部屋を訪れようとするが、建付けの悪い扉を無理やり押した結果、とびらを倒してしまい、そこにいた当時の玉子と鉢合わせする。
のび太は若いなあと思わず感心し、玉子も見知らぬ少年がその場にいるのにおだてられる。でもあと数年すれば小じわだらけになると次にのび太が言ったので、玉子は怒って二人を家から締め出す。
どうやら結局、おばあちゃんはどこかへ出かけているらしいので、家の周りをとぼとぼと歩いてみる。するとすぐに棒飴をなめる幼い当時の自分を見つける。かわいいなと感心する二人だったが、まもなく角から飛び出して泣きながら走り去っていく。なんと当時の3才のジャイアンとスネ夫にいじめられたらしい。のび太は激怒して二人に拳骨をぶつける。
昔と今をごっちゃにするのび太を抑えながら、その場を引き取るドラえもん。そうして歩いていると、唐突に前の道から一人の年寄りの女性が徐に歩いてきた。その人こそ、のび太のおばあちゃんであった。のび太は立ち止まり、どきどきしながら彼女とすれ違う瞬間の時を過ごす。そして振り返り、おばあちゃんが生きて歩いている様子を見て思わず感動する。
その後、おばあちゃんは家に帰り、玄関先で出迎えるのび太に、おねだりしていた花火が買えなかったことを明かす。当時ののび太はそれを聞いてわがままにもわめき泣き、おばあちゃんのこと嫌いだと言う。それを真に受けた小学生ののび太は、ドラえもんの制止を聞かず、当時ののび太をおばあちゃんをいじめるなと叱りつける。
当然当時ののび太は更に泣き出し、騒ぎを聞きつけた当時の玉子まで駆けつける始末。のび太は玉子にタイムマシンで来たとか事情を説明するが、頭のおかしい子と思われて全く相手にされない。どうせ信じてくれるわけないので、さっさと撤収しようとドラえもんはのび太に言うが、諦めきれないのび太はもう一目だけと野比家に忍び込む。
しかしその途中廊下で当時ののび太に見つかってしまう。のび太は急いで近くの部屋に入るが、そこには何とおばあちゃんがいた。
当時ののび太は玉子を連れて小学生ののび太がいた方を指さして、気味が悪いと思いながら玉子もいっしょに彼を探す。そして部屋にいたおばあちゃんにも変な子がいなかったかと尋ねるが、おばあちゃんはいいえと答える。二人は不思議に思いながらも、まもなくいなくなる。
おばあちゃんは突然現れた一人の少年を全く怪しまずに、彼を押し入れに匿ってあげた。のび太が彼女に今ののび太のことを尋ねると、おばあちゃんは、自分はもう年だけど、せめてのび太が小学生になってランドセルを背負うのを見るまでは生きていたいという思いを明かす。それを聞いたのび太は、部屋を飛び出し、タイムマシンに乗って現代に帰って、ランドセルを背負い出してまたおばあちゃんの下に現れる。
「信じられないかもしれないけど、ぼく、のび太です。」
「やっぱりそうかい。さっきからなんとなくそんな気がしてましたよ。」
「信じてくれるの?うたがわない?」
「だれが、のびちゃんのいうこと、うたがうものですか。」
と、おばあちゃんは全く彼のことを疑わなかった。その言葉を聞いたのび太は、思わずおばあちゃんの膝元に泣き付き、おばあちゃん!と声を上げる。そして、彼女の望む通り、ランドセルを背負った姿で、歩くところを見せる。するとさらにおばあちゃんは、欲が出てしまったと言いながら、のび太のお嫁さんも一目見てみたいと言い出す。
のび太は急いでタイムマシンでまた現代に帰り、静香にいますぐ結婚してくれと懇願するのであった。
アニメ化
テレビアニメでの映像化が5回、映画化が1回、計6回映像化が為されている。2022年8月現在、6度のアニメ化は『ドラえもん』原作の中で最多である。
- 『のび太のおばあちゃんの巻』(A1.22)
日本テレビ版アニメ1973.6.10放送。
- 『おばあちゃんのおもいで』(A2.43、A2.44)
大山版アニメ1979.5.21(前編)および1979.5.22(後編)放送。
- 『おばあちゃん大好き』(A2S.26)
大山版アニメ1986.1.3放送。
- 『おばあちゃんの思い出』(MS16)
劇場版2000.3.11公開。26分33秒。
- 『あの名作をもう一度……おばあちゃんの思い出』(A3.107)
水田版アニメ2006.6.30放送。
- 『おばあちゃんのおもいで』(A3.412)
水田版アニメ2011.6.24放送。
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