『ドラえもん未来へ帰る』(ドラえもんみらいへかえる)は、小学館「小学四年生」1971年3月号に掲載された短編。のび太とドラえもんの別れが描かれる、3つある「ドラえもん最終回」のうちの1つで、『ドラえもん』のその世代の学年誌への掲載を終わらせるための便宜上の最終回である。
ドラえもん未来へ帰る
- 話数記号:四71.3
- 分類:原作短編
- 量:14ページ93コマ
- 発表:「小学四年生」1971年3月号(最終話)
- 単行本:収録なし
- 大全集:第1巻第18話
- アニメ化:なし
あらすじ
真夜中のび太の眠る寝室で無数の人影がざわざわとしながら過ぎ去り消えていく。彼らの話し声で起きたのび太はその様子を見て絶叫する。翌朝、タイムマシンで未来世界から帰って来たドラえもんに、昨晩の出来事をのび太は話す。しかしドラえもんはのび太が真剣なのに全く聞こうとせずぼーっとしていた。
下からのび太を呼ぶ玉子の声が聞こえる。のび太が向かうと、玉子はいつの間にか壁に書かれていた落書きを指さしてのび太を咎めた。するとのび助も、自分が大事にしていたライターも無くなったと言い始める。ライターだけでなく近ごろいろいろと家にある品が無くなるのだという。
それを横耳で聞いたドラえもんはとうとうこの辺にも現れたかと呟く。ドラえもんはしょんぼりとしながら、部屋でのび太とおやつを食べていたが、とそこへ突然部屋に小さな子どもが現れて皿にあったどら焼きを取って、そしてあっという間に消え去っていった。のび太は驚き慄いてドラえもんに今起きた出来事を訴えるが、ドラえもんはまともに返事をしようとしない。
と思ったらドラえもんは唐突にのび太に大声で迫り、そして自分がいなくなってもちゃんとやっていけるかと問う。だがのび太は君無しではダメだと情けない答えを返す。すると同時に部屋に見慣れない服装をしている男女数十名がいきなり入って来た。
実はこれは現代世界(未来世界から見れば古代)をタイムマシンで時間旅行するツアーに参加している未来世界の人々で、ガイドに連れられて「古代日本の民家」にやって来たのだ。しかし時間旅行は本来人目につかないものでなくてはならない。ドラえもんはガイドを注意しようとするが、話を聞こうともしない。ドラえもんたちは帰れと言うが、観光客たちは四次元移動をしているため、追いかけられない。
マナーの悪い観光客たちは野比家を恣に探索し始める。新婚旅行のカップル2人は玉子に記念写真を撮ってくれとお願いしながらじゃれあい、主婦の女性は玉子の洗濯物を取り出して子供に見せながら、まだ植物の繊維が使われている服を粗末だと言う。玉子は服を取り上げようとするが、そこにいた成金風の男がそれを手に取り、素朴な味があるから大金で売ってくれと頼みこむ。
と思ったら、玉子は何者かに物置き裏に連れて来られる。そこにいた顔に傷のある男は玉子にピストルを突き付けながら、自分をここに下宿させろと言い出す。とそこにドラえもんが駆け付け、玉子は一旦事なきを得る。
一方、一部の観光客たちは野比家の風呂場に侵入し、浴槽に入るのび助を見ながら、古代人の体は貧弱だの食物が貧しかっただのという。更に先ほどの成金風の男が金を置いてのび助の服を持ち去ろうとする。また、あの親子は今度はのび太の部屋の机の上のものを眺めながら、この子の出来は悪かったのねなどと蔑む。
そんな混乱の中、さっきのピストルを持った男がのび太の部屋に侵入してくる。ガイドは彼を制止しようとするが振り払い、そして男は自分が全世界指名手配の殺し屋ジャックだと名乗り、このままそこにいる人を皆殺しにすると言い出す。観光客たちは震撼し、逃げ出そうとする。とそこに、タイムパトロールが到着し、殺し屋は電撃を受け気絶する。
ようやく平穏が戻りつつなるなかで、現代世界にセワシがタイムマシンでやって来て、ドラえもんに時間旅行規制法が制定されたと告げる。タイムマシンでの旅行が増え、昔の人に迷惑をかける事案が多くなったため、今後一切の時間旅行は禁止されるのだという。それに伴い、ドラえもんは未来に帰らなくてはならなくなったのだ。
のび太はそれを拒み、全力でドラえもんを引き留めようとする。しかしドラえもんはそれを突き放す。そして、二人はのび太が前よりも元気に、強く、そして頭も少し良くなってきていることを見止める。引き出しの中から引き上げの合図のアラートが鳴り響く。それに合わせて、セワシとドラえもんはタイムマシンに乗り込む。
だが今度はドラえもんの方がのび太と別れるのを嫌がり、思わず思いを泣き叫ぶ。そんな彼をセワシは抑えて、タイムマシンは去っていってしまった。のび太は独り残された。
「つくえの引き出しは、ただの引き出しにもどりました。
でも……、ぼくは開けるたびにドラえもんを思い出すのです。」
アニメ化
今作はのび太とドラえもんの別れが描かれるいわゆる「最終回」のため、それが有り得ないテレビアニメシリーズではアニメ化されていない。
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