1970年1月1日木曜日

未来の国からはるばると

『未来の国からはるばると』(みらいのくにからはるばると)は、小学館「小学四年生」1970年1月号に掲載された短編。のび太がドラえもんに出会うという内容の、『ドラえもん』作品の最初の作品の一つであり、てんとう虫コミックスの第1巻の巻頭にも収録されていることなどから、「ドラえもん第一話」としてよく知られている。


未来の国からはるばると

  • 話数記号:四70.1
  • 分類:原作短編
  • 量:15ページ113コマ
  • 発表:「小学四年生」1970年1月号
  • 単行本:「てんとう虫コミックス『ドラえもん』」第1巻第1話
  • 大全集:第1巻第1話
  • アニメ化:1980年、2002年、2006年


あらすじ

とある正月の日。外で子どもたちが遊んでいる中で、何をやってもダメな小学生・野比のび太は、自分の部屋で寝ころびながら、「今年はいいことがありそうだ。」と呟いていた。しかし、どこからともなく「いやあ、ろくなことがないね。」という何者かの声が聞こえてくる。そしてその声の言うことによれば、のび太は30分後に首を吊り、40分後に火あぶりになるという。

すると突然勉強机の引き出しがゴトゴトと鳴り始め、いきなりダルマのような鈴を付けたロボットが飛び出してきた。のび太はこの唐突な出来事に戸惑い、彼にいっぺんに様々なことを聞こうとするが、そのロボットは、のび太はこれから年を取るまでろくな目に遭わず、様々な災難に見舞われるという恐ろしい運命から彼自身を救いに来たのだという。なぜ自分の将来が分かるのかという疑問が沸くなか、そのロボットは再び引き出しに戻って行ってしまう。

のび太がその引き出しを外して、逆さまにしてみても、それはただの引き出しにしか見えず、そのロボットなど入っていなかった。のび太は開き直って、自分が夢を見ていたのだと思い込むが、その直後、自分によく似た男の子が今度は引き出しから飛び出してきた。そして彼は、のび太のことをおじいさんと言い、よく分からないことを彼にたくさん話す。

すると、さっき現れたロボットが再び引き出しから出てきて、自分とその男の子はタイムマシンを使って、未来世界からやってきた者だということ、その男の子はのび太の孫の孫(玄孫)のセワシであること、のび太も将来大人になって子孫を残すのだということを明かす。

のび太は、彼らに将来の自分のお嫁さんが、同級生の静香源静香)ではないかと尋ねるが、彼らはガキ大将ジャイアン剛田武)の妹のジャイ子であることを彼に告げる。のび太はジャイ子が嫌いで、ショックを受けるが、セワシたちはのび太に、彼の将来を写したアルバムを見せる。そして、激昂したのび太はセワシたちをむりやり帰らせる。

まもなく、先ほどあのロボットが言っていた30分が過ぎようとする。すると、外で羽根つきで遊んでいたしずかとジャイ子の羽根が、のび太の部屋の前の屋根に落ちたということなので、それを取ってあげようとするが、足を滑らせてそこから落ちた結果、枝先に首を吊るような格好になってしまう。のび太はその後彼女らの羽根つきに加わるが、大敗する。恥をかいたのび太はそのまま帰るが、今度は家の浴槽に体ごと誤って入ってしまう。体を冷やしてストーブで温まる自分を見て、これが40分後の火あぶりなのかということを悟るのび太。

ふとそこに、さっきのセワシたちが見せたアルバムが落ちているのを発見し、のび太は、他の自分の恐ろしい運命を目の当たりにする。すると、セワシたちがのび太の部屋に引き出しから戻って来て、のび太が残した莫大な借金が孫の孫の代であるセワシたちでも返済できていないという事実を彼に伝える。しかしそれと同時に、人の運命はこれから変えることも出来るということも同時に告げ、そのために、セワシはのび太の面倒を、このロボット・ドラえもんに見させようと、未来世界からやってきたのだと言う。

早速、ドラえもんはお腹にある四次元ポケットから、ヘリトンボ(タケコプター)という未来世界の発明品を出す。この道具を身に付けると、自由に空を飛べるという。ドラえもんはタケコプターをのび太のお尻に付け、「ぼくのすることにまちがいはないの。きみは安心してぼくにまかせていればいいの。」と言う。一方、ズボンが脱げて地面に落ちたのび太は、「あいつ、ほんとにたよりになるのかなあ。」と、若干心配げに頭を傾げていた。


作品解説

『ドラえもん』は、連載開始から基本的に小学館の学年誌などに掲載されるという体制が続いており、連載初期の1969年度から1972年度分までは、未就学児対象雑誌である「よいこ」「幼稚園」に加え、小学館の学年誌「小学一年生」から「小学四年生」に連載されていた。藤子不二雄は掲載する雑誌によって、その対象年齢層を意識して、作品内容を書き分けている。そのため、1970年1月号にこれら6雑誌に掲載された計6作の「ドラえもん第一話」は、のび太が未来世界から来たドラえもんに初めて出会うという本筋は同じものの、ストーリーの単純さ複雑さにはかなりの違いがある。

これら6雑誌のうち、最も高学年の年齢層を対象としている「小学四年生」に掲載された本作品『未来の国からはるばると』が、「ドラえもん第一話」として一般に最も広く知られており、最もメジャーな『ドラえもん』単行本である「てんとう虫コミックス『ドラえもん』」にも、第1巻の第1話として収録されている。また、その他の残りの5作は、テレビアニメ化されたことはない。

2019年に、ドラえもん50周年を記念として、これらの「第一話」6作品およびその他の関連する作品『愛妻ジャイ子!?』『ハイキングに出かけよう』計8作品を収録した「てんとう虫コミックス『ドラえもん』」の第0巻が発売された。


用語解説

  • 羽根つき…日本の正月期に行われてきた子どもの伝統的な遊戯。追羽根と揚羽根の二種類があるが、作中では専ら前者の方が言われている。羽子板という木製の道具で、木の種を元にした羽根という小球を打ちあい、先に地面に落とした方が敗け、顔に墨を付けられる罰が与えられる。


アニメ化

過去3回のテレビアニメでの映像化が試みられている。

  • 『ドラえもんのびっくり全百科』(A2S.3)

大山版アニメ1980.1.2放送。拡大短編。方倉陽二の描いた作品探求本『ドラえもん百科』との合作である。

  • 『未来の国からはるばると』(A2.1694)

大山版アニメ2002.12.31放送。年末の特別番組の中で新作として放送される。

  • 『未来の国からはるばると』(A3.87)

水田版アニメ2006.4.21放送。なお、煽り文句として、本放送時には「ドラえもん登場の思い出」というのが題名の前に付いていた。のび太が、ドラえもんと最初に会った時のことを回想するという話の流れが組まれている。



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